帰ってきた会話文
「君のことが好きなのだ。付き合って欲しいのだよ」
少年は少女に告白した。
「えーでもーどうしよっかなー」
少女はまごついてそう言った。突然そんなことを言われていささか面食らっているようだ。
「頼む！わいはあんたを愛しているのだよ！」
少年は熱烈に叫んだ。
「そうかえ。でもあたいはあんたんこつそげに好きでもなかとよ。こげな場合どげんすればいいとじゃろか？」
少女は混乱のあまり普段は隠していた地元のなまり言葉で言った。
「こういう場合はオッケーというのが粋というものだよ少女よ」
少年は優しく微笑んで少女に教えてあげた。
「そんなものなのかしらね。ではオッケーよ。オッケー牧場」
少女は薄ら笑いを浮かべて答えた。
その後二人は結ばれた。
しかし彼らはまだ14才であった。
にも関わらず、なんと少女は妊娠してしまった。
これには親は驚いた。
父親なんて目をむいて怒った。
それは怒るだろう。
まだ14才なのである。
妊娠なんてしてよい年ではないのだ。
少年もまた14才である。
学業優秀で、良い高校、良い大学にいかなければならない。
ものすごいガリ勉タイプだ。
それが父親になんてなれるはずがなかった。
「でもあたし産みたいんだ。だってきっと、この子に会うために私は産まれてきたのだもの」
少女は思いつめた表情でそう言った。
「そっか、じゃあ俺も働くよ」
少年はそういった。
「だめ、あんたは好きなように生きて欲しい。それが私の望みなの」
少女はそういって、ニッコリと微笑んだ。
