パソコンの遅さにいつもイライラしている前田

コーヒーを飲むことをしばらくやめてみようかと思っている前田慶次殿はたいへん肉体が固くなっていた。
とても肉体的ダメージも肥大していた。
「いやー、たいへん。生きていくことがキツイでござる、へへへ」
と、休み時間はカラスにアメ玉を恵んでやる前田慶次大統領はつぶやいた。
そのとき、スレンダーな釈由美子嬢と出くわした。
「む?」
しばらくの間毎日エアロビクスに励んでいる釈由美子女王に見とれていた後、今朝はコーヒーの代わりにお湯を飲んだ前田慶次リーダーのジャンバーの背中に紙くずが入っていることに気づいて「おやっ?」と思った。
紙くずの背景色はグレーで、そして赤い文字で以下のように書かれていた。
『根っからの恋愛気質のリフレ屋カンパニー。お前のコリをほぐします。実務的なマッサージ、抽象的マッサージ、ご提供しますたい』
さっそくパソコンが重いので頻繁にディスクデフラグをしている前田慶次リーダーは紙くずの番号に電話をかけてみた。
「はっきりいっておく、マッサージお願いしたいのじゃけんどのー、ぷへっひゃっひゃっぽーい」
「実務的なマッサージですか?抽象的?」
「そうですねえ。じゃあ抽象的で、むふー、むっふっふっふー」
「了解した」
と、家では腹をすかせた家族が待っているリフレ屋は独りごちた。
女神のような微笑のリフレ屋は他者は扱いが難しいなーと思っている前田慶次君のネグラにしているホワイトハウスに行った。
そして家にあるインスタントコーヒーの残りも少なくなってきたなーと思っている前田慶次係長に英国式リフレ、鍼灸スウェーデン式マッサージ、リンパマッサージのデラックスコースを施した。
「お前の人体のこりの深さは、ものごっつ深いっちゃ、ふふふ」
と、究極の接客業でナンバーワンになったことがあるリフレ屋は叫んだ。
「そっすか?まあこの何日かつかれ気味ですからねえ。へっへっへ」
と、拳一つでのし上がってきた前田慶次男爵はいった。
「・・・そのおてめえのこりに、時効はあるのでごぜえますか?」
と、カシミアのコートがよく似合うリフレ屋は狂おしげに微笑して絶叫した。
「さてねえ、どうなのでしょうかねえ、ぽっほっほっほーふー」
と、狭い道が嫌いな前田慶次博士は笑顔一発でやり過ごした。
マッサージをがっちりと施したためにコリは期待を上まわるほど無くなった。
「おっと、体が軽くなったたい、ぽっほっほっほーふー」
経済力のありそうな前田慶次君は楽しそうにそう怒鳴った。
「よかったでちゅ、てへっへっへっへー」
と、母親によく泣かされてしまうリフレ屋は一人ごちた。
「あのさあ、請求金額はいくらなんじゃろうねえ?」
と、給料日が待ち遠しいなあと思っている前田慶次さんは体をガクガクと震わせて独りごちた。ぼったくられる心配があるという悩みが胸の内を占拠した。
「お支払いは98ルピアっちゃ」
「は?ただみたいなお値段っすねー、たっはっははーのーはっは」
と、楽しいことをしたいなあと思っている前田慶次課長は驚いて怒鳴った。
「百ルピアで、お釣りがくるのでごぜえます、にひゃにひゃにひゃ」
と、温泉が大好きなリフレ屋は言った。
慈善家の前田慶次さんは百ルピアを支払い、お釣りを2ルピア取り戻した。
「ではまたボディーが疲れたときにはご依頼を、ひょっひょっひょっひょっひょー」
そう放言してカシミアのコートがよく似合うリフレ屋は消え去った。

梅田に出張リフレ